キャバクラ・ホストクラブなどの風俗営業許可を取るためには、申請者又は法人の全ての役員、お店の管理者(風俗営業管理者)の誰か一人でも風営法で規定する欠格事項に該当する人がいてはいけません。
また、許可を受けた後であっても欠格事項に該当するようなことになると、許可の取り消しを受ける可能性が有るのでよく確認しておきましょう
欠格事項とは
風営法で規定する欠格事項とはどういう内容なのか、ご紹介していきます。
①被成年後見人・被保佐人
精神疾患などで、十分な判断能力が無いと裁判所で判断された人は駄目です。
②破産者で復権していない
お金にだらしない人は駄目です。
風俗営業店を始めるお金が有るなら借金を返しましょう。
ただ、通常は破産手続きが終わり、破産が認められると同時に復権する事が出来るので、この規定に該当する場合はほとんどないことになります。
③1年以上の懲役または禁固の刑を受けて、刑が終了してから5年経過していない
犯罪を犯して1年以上刑務所に入っていた人は、出所してから5年たつまでは駄目です。
1年以上刑務所に入るというのは、判決として1年以上の刑を言い渡されることなので、実際には8カ月で出所したとしても対象になり、出所した日から5年間は該当します。
犯罪の種類は関係ないので殺人でも道路交通法違反でも同じ扱いです。
④特定の罪で1年未満の懲役または禁錮、又は罰金刑を受けて5年を経過していない
③に該当しない1年未満の刑務所行きや罰金であっても犯罪の種類によっては駄目です。
対象になる犯罪は下記の通りです。
1.風俗営業法に基づく罪
A 無許可営業 ・・・許可を得ずに風俗営業を行った
B 名義貸し ・・・他人に営業許可の名義を貸した
C 営業停止違反 ・・・営業停止処分中に営業を行った
D 変更承認違反 ・・・変更承認を得ずに店の変更を行って営業した
E 未成年者使用 ・・・未成年が従業してはいけない業務で未成年を働かせた
F 未成年者入店 ・・・お店に未成年をお客として入店させた
以上の内容で罰を受けた場合は対象です。
風俗営業に携わっていた人によくある
・客引き
・時間外営業
などで罰金を払っていたとしても対象外ですから問題は有りません。
2.その他の法律に基づく罪
A 猥褻に関する罪
B 賭博に関する罪
C 誘拐に関する罪
D 組織犯罪に関する罪
E 売春に関する罪
F 労働関係に関する罪
G 児童福祉に関する罪
H 入国管理に関する罪
以上の内容で罰を受けた場合は対象です。
どれも風俗営業を行ったら従業員に危害を与えたり、不法就労を行わせたり、無理やり働かせたりといった可能性を感じさせる犯罪です。
少し意外ですが
・傷害
・脅迫
といった暴力関係の罪は対象外です。
③と④に関して執行猶予を受けた場合ですが、執行猶予中の場合は該当することになります。
ただし、執行猶予を終えた場合は「刑を受けることがそもそも無かった」ことになるので、執行猶予を終えた時から5年を待つ必要はなく、執行猶予を終えた時から該当しなくなります。
⑤集団的又は常習的に暴力行為を行う恐れがある
前の規定で暴力関係の罪は対象外でしたが、暴力団員又は暴力団関係者と判断された場合は該当します。
⑥薬物及びアルコール中毒者
薬物やアルコールの中毒者が風俗営業を運営するのにふさわしくないのは当然ですね。
⑦過去に風俗営業許可の取り消しを受けて5年を経過していない
風俗営業許可の取り消し処分が有る場合、必ず事前に聴聞が開かれ事情を聞かれる機会が有ります。
その聴聞の期日が知らされた時点の60日前までに営業をしていた個人、営業していた法人の役員は、実際に取消の処分が有るまでに役員を退任したり、廃業したり、会社を解散したりしても対象になります。
つまり、ヤバイと思った時にはもう逃げられません。
⑧未成年者
未成年者は風俗営業管理者にはなれません。
ただし営業許可の申請者又は法人の役員が未成年の場合は
1.法定代理人から風俗営業を行う事を認められた場合・・・民法上、認められた営業に関しては成人と同等とみなされます。
2.結婚をした場合・・・民法上、結婚をすると成人と同等と認められます。
3.風俗営業を相続した場合に法定代理人が他の欠格事項に当らない場合・・・相続をした権利を取り上げるわけにはいきません。
以上に当てはまれば営業者として認められます。
その場合でも、お店で接待することは出来ませんし、当然お酒を飲むこともできません。
まとめ
以上が欠格事項です。
実際に問題となるのは③・④だと思いますが、関係者に該当する人がいるなら別の人を探すか
法人の役員なら役員から外す手続きを行いましょう。
もし、あなた自身が該当するようなら風俗営業許可は諦めて他の営業形態を考えましょう。