従業員名簿の確認書類とは?キャバクラ・ガールズバー

書類記入 雇用

キャバクラなどの社交飲食店とガールズバーなどの深夜酒類提供飲食店には

①従業員の名簿を作成して保管する義務
②従業員の生年月日と国籍を確認し、確認した記録を保管する義務

が有ります。

いわゆる従業員名簿と呼ばれる書類を作成して保管しなさいという義務ですが、このページでは②の生年月日と国籍を確認するための書類として、何が認められて、何が認められないか?について詳しく解説していきます。

従業員名簿の確認書類とは?

実は、この確認書類として認められる書類については風営法やその他の法律の改定に伴って”昨日まで認められていたものが今日からは認められない”という現象が何度か起きています。

以前から営業されている方が古い認識のままでいると確認書類の不備として処分の対象となるので、気をつけましょう。

確認書類として認められる書類は「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令」(以下、内閣府令)という法律に規定されています。

内閣府令によれば

○従業員が日本国籍の場合
1.住民票記載事項証明書(本籍地都道府県名が記載されたもの)
2.旅券
3.その他官公庁から発行された書類等で生年月日及び本籍地都道府県名の記載のあるもの

○従業員が外国籍の場合
1.旅券
2.在留カード

と規定されています。

【住民票記載事項証明書】
あまり聞きなじみの無い書類ですが住所地の役所で発行される書類です。

【旅券】
パスポートの事です。

【在留カード】
外国籍の方には必ず発行されている身分証明証です。

この3種類は書類の名前が書いてありますから、あまり問題はないかと思います。

問題は3の「その他~」です。

ここからは「その他」に何が含まれ何が含まれないのかを解説していきます。

1.何を確認するのか

「何が」認められるのかを理解するには、「何を」確認するための書類なのかを覚えておく必要が有ります。

確認するのは「生年月日」と「国籍」です。

これは未成年や不法就労の外国人を雇わないようにするための確認です。

2.何で確認するのか

「生年月日」と「国籍」を確認するための書類ですから、
「生年月日」と「国籍」の分かる役所が発行した書類である必要があります。

そして、役所が発行する書類には日本国籍の場合は「本籍地」が記載され、外国籍の場合は「国籍」が記載されます。

つまり○○県~といった本籍地の記載のある書類であれば「日本国籍」だということが確認できた事になります。

以上をふまえて以下の書類を見ていきましょう。

①運転免許証

以前は本籍地が書いてあったので確認書類として認められていました。
しかし現在は本籍地が書かれなくなってしまったので、確認書類として認められません。
(有効期限の切れた古い免許証を提示してくる人がいるかもしれませんが、たとえ本籍地が記載されていても有効期限が切れている物は確認書類として認められません。)

②マイナンバーカード

新しい身分証として国が発行を推奨しているマイナンバーカードですが
残念ながら本籍地が書いていないので認められません。

③住民基本台帳カード

いわゆる住基カードですが本籍地の記載が無いため認められません。
しかし、以前は本籍地の記載が無くても確認書類として認められていました。

何故かというと、住基カードというのは住民票のある自治体で申請すると発行されるものです。
そして、以前は日本国籍以外の方は住民票が存在しませんでした。

つまり、「住基カードを持っている=日本国籍」という式が成り立つので国籍の確認が出来た事になりました。

しかし、現在は日本に在住する全ての方に住民票が発行されるようになったので、住基カードを持っているというだけでは国籍の確認が出来ません。

そのため、現在では確認書類として認められない事になっています。

④本籍地の記載の無い住民票

③と同じ理由で以前は認められましたが、現在は認められません。

⑤本籍地の記載がある住民票・戸籍謄本

本籍の記載があり、生年月日も記載されているので確認書類として認められます。

しかし、従業員名簿を確認した警察官が添付してある住民票に対し「この書類は確認書類として認められない!」と言ってくる事案が確認されています。

なぜそのような事を言ってくるのか?

それは、内閣府令の改定に原因があります。

現在の内閣府令は平成27年に改定されたものですが、以前の内閣府令には確認書類の例として「本籍地記載の住民票」「戸籍謄本」が明記されていました。

それが今回の改定では明記されなくなったため「認められなくなった」と誤解しているのです。

しかし、内閣府令を改定するにあたって改定を担当する警察庁が行った、改定内容を一般に示して意見を求めるパブリックコメントで

「改正案で削られる書類も引き続き認めるべきだ」
「住民票記載事項証明書と住民票を間違えて持って来ることが予想される」

という意見に対し

「本籍地記載の住民票・戸籍謄本はその他の書類に該当するので引き続き有効な書類である」

と明言しています。

ですから、現場の警察官が認められないと勘違いしていた場合は、「警察庁がそのように発表していると聞いているんですが確認していただけませんか?」とお願いしてみましょう。

きっと不問になります。
もちろん謝ってはくれませんが・・・。

以上で従業員名簿に添付する確認書類の解説は終了です。

すでに営業中の方はお店にある従業員名簿の書類を確認して、もし認められない書類だけが添付してあったら従業員に正しい書類を提出させましょう。

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