キャバクラやホストクラブなどの社交飲食店、ガールズバーなどの深夜酒類提供飲食店を始めるときは「良い物件が見つかったらすぐにでも営業を開始したい！」というのが皆さんの本音だと思います。
実際、町を歩いていると「居抜店舗・即営業可能」という張り紙が貼られているのを見かけることも多くありますから、店舗の状態や業種によってはすぐに営業を開始できると思っている方も多いのではないでしょうか？
しかし、残念ながらキャバクラやガールズバーの営業に必要になる、
・保健所の飲食店営業許可
・警察の社交飲食店営業許可
・警察の深夜酒類提供飲食店の届出
これらの許可や届出には”名義変更”という概念は存在しません。
そのため、新規に開店するためには以前その物件に下りていた許可を取り消した上で、
1.新規に飲食店営業許可を取り
2新規に社交飲食店の営業許可を取るか、新規に深夜酒類提供飲食店の届出を出す
という手続きが必要です。
また、これらの手続きには、
・飲食店営業許可の取得でも1週間
・深夜酒類提供飲食店は10日
・社交飲食店営業許可の取得には2ヶ月以上
という時間がかかるのが現実ですし、この期間を短縮することは誰であっても不可能です。
そんなに待てない！
という気持ちはわかります。
開店までの間は家賃や人件費などの経費だけが出ていき、収入はない。
そんな時、すぐに営業を始める方法は3つあります。
無許可で営業する
「許可なんて関係ない！」と言うのであれば、この方法が1番手っ取り早いです。
ただしこの方法の場合、情報誌などでお店の宣伝が出来ませんし、キャバクラやガールズバーの経営で一番大事な求人を出すこともできません。
何より、無許可営業で捕まると ”2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金又はその併科”という風営法では1番重い罰が待っているので、この方法は全くお勧めできません。
以前の許可で営業する
以前のテナントが取っていた許可をそのままにして営業することです。
広告も求人も以前のテナントのふりをして行います。
しかし、この方法は名義貸しという犯罪で無許可営業と同じく”2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金又はその併科 ◆法第49条2項”が待っています。
しかも、名義を借りたあなただけではなく、貸した側に対しても罰が行きますから、あなたと以前の営業者がよほど特別な関係で無ければ、そもそも営業すること自体不可能でしょうし、無許可営業と同じく、全くお勧めしません。
以前の営業法人を買い取る
すぐに開店することができる、合法的な唯一の方法です。
仮に法人ＡがＣｌｕｂＡというお店を経営していた場合に、法人Ａを買い取ってそのままお店の営業を継続する方法です。
この方法ならば1度もお店を閉めることなく営業を続けることが可能ですし、不動産オーナーとの賃貸契約や保健所・警察への届け出も、代表者の変更に関するものだけで完結するので、完全にタイムロス0での開店が可能になります。
→関連記事「変更届の種類」
ただしこの方法を可能にするには、
・法人ＡがＣｌｕｂＡの買い手を探している
・法人Ａが運営しているお店がＣｌｕｂＡだけ
という条件をクリアしたうえで、貴方が法人Ａのオーナーから法人を買い取れる関係に有る事が必要です。
なかなかそんな話は有りませんが「店を買わないか？」といった話があった時は、この方法を検討してみることをお勧めします。
間違っても「即営業可能」の言葉に騙されて契約したら許可が下りるまでの期間で資金がショート
なんて事の無いよう気をつけましょう。
